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わたしの名前

2024年10月6日
やなさん(ペンネーム:機械科39年卒業)

 皆さん自分の名前について改めて考えた事はありますか?
私の名前は「今朝雄」です。
 昭和20年(1945年)4月生まれですから私はきわどく戦中子です。終戦直前だったので、母の陣痛が始まった時の昼頃に信州佐久の東の空から西に向かってアメリカのB29が10機編隊を組んで飛行していたのだそうです。
 当時のお産は、病院でなく自宅でする事が多かった様です。助産婦(当時はお産婆さんと言っていました)の手により出産し、自宅で産湯に浸かったのです。私の生まれた時の様態は、へその緒が体に絡まり、ほぼ仮死状態。チアノーゼにより全身が青紫色。自発呼吸と産声がなく、お産婆さんが逆さに吊るして背中を叩いて、やっとのことで産声を上げさせたとの事です。へその緒は僧侶が身に着けている法衣の「袈裟」の様に体に絡まっていたので、そう名付けたのだとよく聞かされました。「袈裟」を「今朝」に変えて「今朝雄」としたのだそうです。そして、小さい頃に父親からよく言われました。「お前は一度死んでいるから、これからは何があっても恐れる事はない。今を大事に生きろ」と。

 さて、私の名前の中には「今」という文字があります。先日ネットに投稿されていた「過去・現在(今)・未来」というエッセイを見て、なるほどと思った事があります。
 それは遠い昔の事が解るのも、これから訪れる未来を想像できる事も「今」があるからなのだという話です。地球から50億光年向こうにある星の光を今見ている時はその光が50億年前に発せられた過去の光なのだ。そして50億年先の未来はどうなっているのかと思いを巡らせる事ができるのは、「今」があるから。だから、人間は現在(今)を大切に生きなければならないと書いてありました。こんな意味深い漢字の「今」を名前に織り込んでくれた亡き親父に感謝したいのです。

 話は変わり。77歳の喜寿のお祝いの時に娘がくれた日本酒の事をふと思い出しました。昭和20年4月の誕生日に発刊された当時の日付の読売新聞紙に包装された日本酒です。写真にある様に瓶のラベルには「祝喜寿今朝雄のお酒」とありました。「けさおのおさけ」と読めます。皆さんこれに何かを気付かれました?逆から読んで見てください。どちらから読んでも同じです。私の酒好きなのは、多分こんな事に所以している為かもしれませんね。飲み過ぎない様に自重して毎日を過ごしております。では又。

 注)キャプションの写真は例年に比べ2週間近く遅れて咲いた曼殊沙華です。

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