
地元の銘木を観て思った事
ペンネームやなさん(39年機械科卒業)
この夏は酷暑の夏でした。その為か庭先の木々の葉は小さく、ちじれて、やや薄茶色かかっている緑色です。この木を見て、かつて友人とメールでやり取りした「銘木」について思い出しました。
良く知られている銘木として、東日本震災の時、津波に打ち勝った陸前高田市の「奇跡の一本松」は有名です。
しかし自分の住んでいる近くに有名な樹木がある事は意外と知れていないですね。
過日、町田に住んでいる友人が、近くの公園に変わった形をした古木があり、それを見に行ってきたと、写真(左側)を貼付してメールを送ってきました。
『町田市野津田のケンポナシ』という古木で、町田市では有名だそうです。幹に大きな穴が開いていても、木自体は元気に生きていて、葉を茂らせているので、意外とそれに気付ない人が多いそうです。以下は彼がメールで送ってきた記述と電話での会話の要約内容です。(右側の写真はネットの写真を追加したものです)
・・・・・・・・・・木の芯部が腐っていました。
写真では黒っぽく見えますが、ボロボロに崩れてきている状態で、アリが沢山出てきました。
こんな状態なのに、枯れずにいたのは何故なのか。すごい!!!!。(ネット検索記事を私が更に一部追加しました)
それは、養分や水分を吸い上げて木全体に運ぶ機能は、木の表皮のすぐ下の層で行われているからで、その部分さえ健康であれば、木の中心部から腐ってきていても木は生きていられるのだそです。腐食部分が広がらない様に、木は自分で内側に防御壁を作る事をするので、すぐに木が枯れるという事はないとの事。
その為に、空洞ができ始めてからも何年も生き生きした状態を保っている木が多いという訳。
ただ、内側が空洞になるとその分、強風などで木が折れる可能性は高くなる。計算上は、空洞の横断面積が50%を超えると木の胴から折れてしまうことになる・・・・・・・・・。
彼は更に次の事を書いていました。
この樹木は100年の間に火事に遭っても生き延びたという。そして今は添木があり生きている。これは自分が今生きているのとオーバーラップしている。生まれてから70数年、何度かこの樹
木の様に災難が襲ってきた。でも周りの幾多の家族、友人や、ドクターの支えにより、生き延びてきた。感謝している。こんな事を思い浮かべながら、この地元の銘木を観てきた・・・・・・・・・。
さて。
私の住んでいる所沢市でも「みつこ桜」という古木のヤマザクラの木があります。
家から車で15分。狭山丘陵にある茶畑だった畑の所有者の「みつこさん」が手をかけて育てた事が由来でこの木の名前になったのだそうです。
偶然にも先述の町田の友人の奥さんの名前が「光子さん」というので、毎年この桜が咲くと彼に写真をメールで送っています。(写真は2024年4月に私が撮影した「みつこ桜」です。)
開花の時期になると沢山の人が見に来ます。そして「あら!あなたも去年見に来ていましたよね」なんて、知らない人が声をかけてきます。そんなコミュニティーをこの古木は与えれくれます。
傘寿80歳をクリアーした昨今の自分。体の内部は大分ガタがきている状態です。でも外観だけは、あの樹木に負けない様、保湿クリームで顔や手を程ほどに手当てをしています。
あの樹木の様に元気に生きよう!・・・なんて考えるのは、少々考え過ぎかもしれませんね。
そして銘木と言われている古木には人間の人生観にまで参考となる物語が潜んでいる事を改めて考えさせられました。皆さんの近所にはどんな銘木がありますか?そんなに大掛かりの銘木でなくても自分の庭先に植えた記念樹だって「銘木」ではないでしょうか。樹木が生きる力を与えてくれるのです。
因みに、この町田の友人は数年前に白血病に罹り、余命告知を受け、現在は経過観察中ですが「古木」の様に力強く暮らしています。 涼しい秋となります様に。