祝!!第五回WBC優勝
あの3.11から三日後、観測史上最速タイ3月14日、東京で開花した桜(染井吉野)。その咲き満ちる軌道と同期した第五回WBC。アメリカマイアミで行われた決勝戦で、日本代表「侍ジャパン」はアメリカを破り14年ぶりに優勝しました。「野球の神が脚本を書いた」と世界のファンが熱狂する結末でしたが、久しぶりにしびれる決勝戦だったと思っています。
HP運営委員 S.Motegi
一次リーグも含めて様々な劇的なドラマを生んだWBCでしたが、決勝戦でも印象的なドラマが生まれました。それは、日本が1点リードして迎えた9回表の二死無塁の場面で実現したメジャーを代表する二人の対決でした。日本の投手として登板していた大谷翔平と、アメリカを率いるマイク・トラウトの、エンジェルスの同僚対決です。一発が出れば同点の場面でしたが、大谷は気合の入った最高のスライダーでトラウトから空振り三振を奪取し、大舞台での勝負を締めくくりました。普段は仲間として戦う大谷とトラウトで幕を下ろすという、劇的な幕切れは、今大会において最も印象的なシーンのひとつになり、歴史の一齣として今後も語り継がれる名場面となりました。
「侍ジャパン」を優勝に導いた栗山英樹監督について「朝日新聞」の記事を参考にしつつ、少し触れたいと思います。彼が「あれをつくっていなかったら、僕はきっと監督にはなっていなかった」と言われる場所「栗の樹ファーム」があります。これは北海道栗山町の丘陵地帯にある少年野球場であり、栗山監督が私費を投じ、町の皆さんの協力もあって作られた両翼70メートルの球場です。ここでは野球教室や少年野球大会か開かれ、誰でも気軽にキャッチボールが出来る球場とのことです。ここ「栗の樹ファーム」での長年の活動、プロ野球での選手としての実績、スポーツキャスターとしての真摯な取り組み等が評価され、2011年日本ハムから監督就任の要請が届いたとのこと。この監督が率いる「侍ジャパン」にダルビッシュ有、大谷翔平、さらにラーズ・ヌートバーが加わり、最高のチームが出来上がり、WBCを駆けあがり、優勝を手中にしました。
栗山監督は「WBCを見て、野球をやろうと思ってくれる子が必ずいる。そのことがすごく嬉しい」と優勝を決めた際のインタビューに答え、野球を介して人が繋がり、子供たちが夢を持つことへの希望を述べていました。
私も、ささやかな経験ですが、かつて少年野球との関りがありました…。コンピュータシステムの開発と言う、結構過激な業界に身を置きながら、子供たちがお世話になっていることから、地域の少年野球等を中心としたスポーツリーグに、コーチ、監督を経て審判等の役割を担い、理事として二十数年間に渡って関わって参りました。システム開発の繁忙期、徹夜明けに始発電車で家に帰り、朝6:00過ぎからの朝練のコーチを一時間ほど務め、シャワーを浴び、再び職場に駆け付けるという綱渡りも、少なからず行って参りました。これは身体的にはかなりきつかったのですが、メンタルの切り替えと、リフレッシュ、さらにはコーチングの実践的訓練にかなり効果があったと思っています。 地域の「スポーツ推進委員」も兼務していましたので、開発責任者に就いてからは他の方に監督等の役割は担って頂きましたが、今では懐かしい少年野球の子供達との思い出です。
このスポーツリーグからは、メジャーリーグを経て現在広島東洋カープに所属する秋山 翔吾さん等を始め有為な選手たちも巣立っていきました。それに続く少なからぬ少年たちが、今回のWBCの快挙をみて、それを目標に育っていくことを希望したいと思っています。なお、秋山選手は今でも、地域の少年たちを対象にシーズンオフに野球教室を開催し、子供たちの指導を継続してくれています。