平成12年
建築科卒業
季寄せ庵こいど 店主:小井土 智成
- 現在のご職業や、お仕事の内容をおしえてください。
- 季寄せ庵こいどの店主です。完全予約制の会席日本料理店で、2015年に開店いたしました。お客様に楽しくお食事をしていただき、気持ちよくお酒を飲んでいただいて、ご機嫌で帰っていただけるように努める仕事です。
このお店のスタイルとしては、お客様にご予算を決めていただき、お料理はおまかせでご提供させていただいております。 - 千曲高校・建築科に進学された一番の理由は何でしょうか?
- 自宅から近かったから、というのが正直な答えですよね。
でも、なぜか中学校に入学した時から、千曲高校に行こうとは考えていて、それは「近いから」とか考える以前からだったし、僕の中では他に選択肢はなかったんですよね。運命だったのかもしれませんw
建築科を選んだのは…なんででしょうね?
- 在学中はどんな班活に在籍されていましたか?
- 班活はテニス班で、3年生の時はキャプテンでした。3年間休まずやってましたよ。当時顧問だった原先生の考え方・教えが今の自分の基礎を作ったものだと思ってますね。まずは「辞めないこと」と、能力が低い人がどうしたら強い相手に勝てるかを考えるテニスだった。能力がなくても悲観することはない、やればいいんだよって、それが原先生の教えだと自分なりに解釈してました。その当時に自分が得た考えは今も変わらないです。多分、職業柄似ているところがあって、今の仕事にも繋がったんだと思うんですよね。
- 在学中の思い出として、忘れられないことはありますか?
- やはり、それもテニスなんですが、3年生の最後の試合、勝てばインターハイ出場って試合で負けてしまったこと。ずっと、ずーっと憶えてます。2年生の時は、先輩たちにインターハイに連れてってもらったのに、自分たちが最後に負けて終わってしまった。だから、教訓として、頑張らなきゃっていうのと、やればできるって気持ちはずっと持ってます。「もっとやっておけばよかった」と後悔しないように。
- 千曲高校で学んだことで、今のご職業で活かされてると思うことはございますか?
- 千曲高校に入って、3年間原先生の下でテニスを続けてこれたっていうのは、とても意味があったことですよね。
結局、学生から社会人になっても「やること」は変わっても、「やり方」は変わりません。いずれ社会人になることを考えれば、学生時代をどう過ごすかって僕にとっては重要でした。 - これからの社会で求められるのはどのような人材ですか?
- 自分で考えて、自分で失敗して、自分で修正できる人ですね。とにかく自分で考えて行動できるか。
どんなにクオリティの高いものを作ったとしても、それが人から言われてやってるうちは、多分先はないと思う。悪い言い方をしてしまうと、指示待ち人間の人は多いと感じます。指示する人がいて、円滑に回っているときはいいかもしれないけど、それは続くはずがない。指示する人がいなくなったとき、つまずいたら立ち直れないですよ。何をやってもいいと思うけど、どうやるかが大切だと思います。これから「やりたいこと」、自分が今「やれること」、そのために今後「やらなきゃいけないこと」、その3つは関連して考えてます。考えられる人は魅力がある人になれるんだと思います。
あとは周りに流されないってことですかね。流されないって、難しかったり、迷うこともあるんですけど、その先の結果がどう出るかを自分で決めて、必要なことをすればいいと思うんです。 - ご自身が影響を受けた人・尊敬される方はおられますか?
- うーん…。
この人すごいなぁとか、思うことはあるんですけど…。変に捉えられるかもしれませんが、僕自身、自分の考え・自分の尺度を何より大切にしようと思ってて。他人の意見を聞かないってことじゃないんですけどね。 - 大切にされているポリシー・座右の銘はありますか?
- 褒めていただけても、褒めていただけなくても、自分自身が気が済むまで一生懸命やるってことですかね。自己満足かもしれませんが、お客様はわざわざ予約を入れてこのお店に来ていただける。だから、私も常に本気に、一生懸命に仕事をするのが最低限の礼儀でなければならないと思います。
お客様から帰りがけに「ありがとう」と言ってもらえた時は、社会の一部になれてるんだな、と存在意義を感じます。 - 今後達成したい目標や夢はございますか?
- 自分が親からしてもらったことは、自分の子供にも最低限してあげなきゃいけないなと思います。
あとはお客様の大切なお時間に彩を添えられるお手伝いができれば幸いだと思っています。それが自分のやりがいですし、それがあるからやり続けられるんだと思います。
最終的には、本当に自分一人だけで切り盛りできるもっと小さなお店をやりたいです。 - 在校生にお声がけいただくとしたら、どのような言葉をかけますか?
- 道は開かれてるから、あとは行くか行かないか。チャンスはいくらでも落ちていて、それに気づくか、拾えるかってだけだと思います。私がチャンスを拾えてきたわけではありませんが、いろんなチャンスを見逃してきたことは事実です。それに気づくも、拾うも自分次第。
私は建築科を卒業して、現在まで料理の道で仕事をしてきているわけですが、正直、料理の道に進みたかったわけではないんですよ。ただ建築科を卒業したけど、やることはなんでも良くて、東京に行きたくて、その中でいろんな道が開かれていて、一生懸命やって、上田にお店を出して。
きっかけは何であれ、自分が望んで、そこへ行き、それを一生懸命続ければ道は繋がっていきます。 - 掲載公開日:令和2年9月10日