Interview

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平成15年
電子機械科卒業

有限会社クボケイ 取締役:窪田 陽介

現在のご職業や、お仕事の内容をおしえてください。
有限会社クボケイは工務店です。建築工事、建具、家具の請負・施工をしている会社です。叔父が代表を務めており、父と私が取締役を務めています。 私の仕事は建築主さんとの打ち合わせ、積算、資材発注、各業者の手配、現場監督業務、アフターフォロー、そして大工として木工事をしています。 4人の職人がいて、日々様々な工事現場で作業をしたり、加工場で部材の加工、商品の製作をしています。
千曲高校・電子機械科に進学された一番の理由は何でしょうか?
建築科ではなく電子機械科に進学した一番の理由は、父親に言われた「大工になるのはやめておけ」って一言が大きかったですかね。今考えれば、『あの時なぜ自分で決めなかったのかな?』って思いますけどね。 でも、父は建築業・大工の大変さもわかっていたし、時代背景なんかも考えて私に言ってくれたんだと思います。 ただ、なんで電子機械科にしたんですかね…? きっとなんとなくなんですけど、機械科と電気科の両方学べるのかな?って思ったからでしょうね。
在学中はどんな班活に在籍されていましたか?
班活はバレーボール班でした。自分の中学の先輩から誘われたのを覚えています。中学の時は自分自身バレーを頑張っていて、やり切った感じがあったんですよ。「高校は楽しくできればいいかなぁ」って思っていたんですが、入学と同時に大卒バリバリの先生が監督になったんですよ。成績はそんなに良くなかったですけど、仲間も後輩もたくさんいて、バレー漬けの日々でした。
在学中の思い出として、忘れられないことはありますか?
文化祭は楽しかったですね。電子機械科でお化け屋敷をやりました。夏休みに準備して、教室をお化け屋敷に改装して。男だけのクラスだったからまとまりはなかったですけど、お化け屋敷は団結して頑張ってやりましたよ。 あとは3年生で卒業課題があったんですけど、溶接で自転車つなげて5人乗り自転車作りましたよ。そんなに完成度は高くなかったですけど、何とか一応無理矢理つなげて、それを乗り回したのがすごく楽しかったですね。5人で乗ってロータリーを周ったのを憶えています。電子機械科まったく関係ないですよね(笑)
千曲高校で学んだことで、今のご職業に活かされていると思うことはございますか?
電子機械科を出て建築業なのですが、活かされていることがまったくないわけではないですね。図面を描いたことがあるっていうのは大きいと思います。建築の図面はスケールが大きいですけど、基本的な部分はやはり同じですよね。共通している部分も多いです。高校時代はドラフターがメインでしたが、多少CADでも描きましたね。今の職業ではCADで描くことが多いので、やはり基本は活きていると思います。 それからやっぱり人間関係でしょうか。社会人になって今でも繋がっている仲間って、高校で出会った人が多いですね。仕事で関わった人が千曲の先輩だったり後輩だったり。当時はわからずに接していたと思いますが、気づいてみたらいろんなところに繋がりがあったって実感します。
これからの社会で求められるのはどのような人材ですか?
いろんなことに挑戦できる人、それから自分で決められる人じゃないですかね。 今って「好きなことだけやっていきましょう」みたいな風潮あるじゃないですか。それはそれでいいことだけど、好きじゃないことでもやってみたら興味がわくかもしれないし、それが好きなことになることもあると思います。 何の仕事でも毎日ずーっと楽しいわけじゃないじゃないですか。楽しいか楽しくないかで言ったら9割5分楽しくないですよ。でもそんな毎日の仕事の中で、お客さんに喜んで頂いたり、感謝された瞬間にそれまでの苦労が報われて、やりがいを感じるのだと思います。「やっててよかったな」「もっとレベルアップしたいな」ってなるんじゃないでしょうか? もうひとつの自分で決める。 人にアドバイス求めること、相談することは良いことだと思いますが、最後は自分自身で決断することが必要だと思います。自分で決めたことなら自分で責任を負わないといけないですし、それで愚痴を言っていたら自分の考えを否定することになりますよね。理想通りにはいかないかもしれないけど、自分で決めたことは何とかして乗り越えようとするしかないですから。
ご自身が影響を受けた人・尊敬される方はおられますか?
良くも悪くも父親の影響が一番大きいですね。小さい頃から仕事も見ていたし、今も毎日同じ職場なので影響は大きいです。多分父親が大工じゃなかったら自分も大工にはなってなかっただろうとおもいます。 父親も兄弟でずっと一緒に仕事をして40年以上経てきて、自分も今は弟と仕事をするようになり、身内だからこその大変さよりも、身内だからこそうまく作用することを学ばせてもらっています。なにより、ここまで会社を続けてきたことは、素直にすごいなと思います。父が20歳で創業してから40年ちょっとですし、もともとから上田にいた人間じゃなかったですから、ホントにゼロからですよね。下請けから始まって、お客さんから直接お声がけいただける元請けまでできるような会社にしてきたわけですから、時代もあるとは思いますが、自分が同じことできたかっていうと、おそらく無理でしょうね。技術だけではなく、人柄もあって多くの地元のお客さんから声をかけていただけたんだと思いますね。もちろん尊敬しています。

大切にされているポリシー・座右の銘はありますか?
座右の銘のようなものはまだ模索中ですが、 仕事だけに関わらず、人に喜ばれることを出来る人間でいたいとは思います。
今後達成したい目標や夢はございますか?
住まいは暮らしを守る大切な基盤だと思っています。人口減少で建築の仕事は減っていくと思いますが、新しいものを作るときには永く、快適に、暮らせる家を造りたいですし、地域にこれだけたくさん存在している建築物を守る事も工務店の役目の一つだと思います。 空き家も増え続けていますが、今までのようにスクラップ&ビルドの使い捨てのような社会ではなく、リフォームやリノベーションで再び価値を見出したりすることで持続可能な社会を作っていかないといけないと思います。 今は職人仕事が敬遠されているようですが、若い人から見ても、しっかり稼げて、魅力のある、なりたいと思われるような職人でありたいと思います。
在校生にお声がけいただくとしたら、どのような言葉をかけますか?
千曲高校は専門高校ならではの勉強できますから勉強は大事ですが、一番楽しい時間なので、目一杯楽しんだ方がいいと思います。 職業校なのでアルバイトも後々活かされることが多いと思いますし、友人ともたくさん遊んだり班活に打ち込んだり、とにかく楽しんでください! 大人は大人で楽しいですが、高校生は3年間、とても貴重な時間です。
令和2年11月7日公開

有限会社クボケイ (上田市保野)

HP https://www.kubokei.com/