Interview

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平成8年
機械科卒業

株式会社 甲田ケイテイ 代表取締役:石黒 幸弘

現在のご職業や、お仕事の内容をおしえてください。
株式会社 甲田ケイテイ、代表取締役を務めています。自動車の販売・修理・保険業務を行っている会社で、私は経営に携わっています。父から代表を引き継いで今年で3年目になります。祖父の代からなので私は3代目ということになるんですが、別所線の中塩田駅の近くで自転車とバイクの『甲田ケイテイ商会』から始まりました。それから今の会社の場所に移転して、ガソリンスタンドを始め、父たちが整備を担当して自転車・バイク・自動車を扱う会社になったんですね。約30年前にはガソリンスタンド事業を廃業して、販売・修理・板金・塗装をメインに移行しました。昭和20年からなので、今年75期目です。あと5年頑張れば80年になるんですが、80年以上経ってやっと『老舗』って呼ばれるみたいですね(笑)。さらにもっと頑張れば100年も見えてくると思うんですけど、この車社会がどう変わっていくかですよね。世界的に見ても、自動化とか化石燃料を使わない方向へ向かっていますから、私たちが持っていた自動車のイメージが近年目まぐるしく変わってきていますよね。100年分の進化がここ5年から10年で起きてしまっていたり、競争する相手がアメリカから、シェアが桁違いに大きい中国になったり。だからこそ業界も、私たちも常に進化していかなければならない。決して無くなっていくものではないと思いますし、日本を代表する産業でもあるので、そこに携われるということは誇りに思いますね。
千曲高校・機械科に進学された一番の理由は何でしょうか?
そうですね。やっぱり家業を継ぐために入ったかなって感じですよね。両親の影響が一番あったと思います。普通科に行っておけば無難かなという考えもあって、上田東高校も選択肢にはありましたけど、やっぱり家業を継ぐなら千曲高校かなって。機械科に入っても、ずっとそれだけやってるわけじゃないし、半分以上は普通の高校生と同じ勉強をするんだろうしと思って。最終的には自分で決めたんですけど、正直あまり憶えてないです(笑)。子供のころは「継ぐ!」って言ってみたり、「大工さんになりたい!」って言ってみたり、親戚が飲食店だったので「それもいいかな」と思ってみたり。小さい頃って、他の職業って何やってるかよくわからなかったから、目に移った職業にその度目移りしてただけだったかなと思いますね。
在学中はどんな班活に在籍されていましたか?
3年間バスケでしたね。当時のバスケ班は強くはなかったですけど、中学から続けてきてたし、他に入りたい班活もなかったんでね。ただ体は動かしといた方がいいかなぐらいで、レギュラーになりたいとも思ってなかったし(笑)。
在学中の思い出として、忘れられないことはありますか?
特段なかったかな…?のほほーんとした高校生活だったと思いますよ(笑)。時代として、授業中にどこぞのヤンキーがバイクで乗り付けてくるみたいのがあって、「来るんだ…」ぐらいに思ったことはありましたね。冷やかしに来るんだよね。単車で爆音立てて。「あぁ、まだこんな時代なんだ」って(笑)。
修学旅行で京都?関西方面だったんだけど、うちのクラスのバスが故障して、しかも割と序盤の高速で(笑)。他のクラスのバスに振り分けられて乗って行ったっていうのと、修学旅行先の自由時間で帰り道がわからなくなってメシを食い損ねたっていうことがありましたね。スタートからグダグダな修学旅行だったなっていう思い出だよね。千曲高校って他のクラスとの交流ってあんまりなかったから、バスに振り分けられても気まずかったから、旅行先まで大人しく乗ってることしかできなかった(笑)。
あとは僕らの時の機械科って男だけだったので、朝行くたびに男だけのあの独特の臭い!「ウワ・・・ッ!」ってなりましたね(笑)。
思い出はそんな感じかな。
千曲高校で学んだことで、今のご職業で活かされていると思うことはございますか?
授業中の時間内に一つの作品っていうか、研磨なら研磨の課題を仕上げなきゃいけないとか、限られた納期の中で工夫して仕上げるっていうことかな。そういうことってこの職業でも精通してると思いますね。それと機械を使って仕上げるって部分でもそうなのかもしれないですね。使ってる機械は違うけど、機械を使って一つのものを仕上げることの共通性は感じるときがあります。資格で言ったら溶接ぐらいかな。それに『やったことがある』っていう経験があるのは意外と大きいと思いますよね。
でも、本当に重要なのはその先だと思いますね。学んだことがそのまま活きてるってことももちろんあると思いますが、学んだことを基礎として、勉強して、経験して、活かせるスキルにまで自分が進化させていかれるかじゃないかな。
これからの社会で求められるのはどんな人材ですか?
まぁ、古臭いけど『忍耐力』じゃないかな。すべてにおいて。
同業種の若い子たちを見ていて思うんだけど、結構すぐ辞めていくんですよね。その業種に入りたいって言った割には現実とのギャップで辞めていくんだけど。ギャップなんてどこ行ったって、これから先もあるからね。それを自分で埋められるか、解消できるか。まぁ、解決方法はいろいろあると思うけど、そこの根底にあるのが『忍耐力』だと思うんだよね。最初はわからなくて、もがいてる期間があると思うんだけど、そこを耐えて、もがき切って抜けるのか、もがけなくてフェードアウトしていくかだけの違いだと思うんですよね。
ご自身が影響を受けた人・尊敬される方はおられますか?
この歳になったから言うけどやっぱり両親ですね。自分が親になったからっていうのもありますけど、自分が継ぐまで会社があったっていうのが大きいですよね。世の中いろんな偉人がいたりするけど、結局テレビの中の人って直接関わらないから、影響受けるのは言葉とか上っ面だけになるよね。実際に背中を見るってことが一番だと思うし、そういう人がいてくれたってことだよね。
大切にされているポリシー・座右の銘はありますか?
持っちゃうと邪魔になってしまうこともあるから、持たないようにしてるかな…と。ニュートラルにしてるというか、常にギアを入れやすいように。現場だけやってた時はとにかく仕上がり重視だったけど、経営者となって変わった部分ですよね。ポリシーとか座右の銘ではないけど、『いかに会社を永く続けていかれるようにしていくか』かな。
今後達成したい目標や夢はございますか?
目指せ100年かな(笑)。どんな形にしてもその会社がそこに在って、継続していくことってやっぱりすごいことだし、目標ですよね。今は維持してくのにいっぱいだけど、やっぱりもう少し規模を大きくしたいですね。昔って、祖父とか父の時代は、「車が壊れたら甲田ケイテイ」ってよく言われたんですよね。それにここの商店街も寂れてきてしまっているんですが、それを盛り上げられる企業になれればって考えています。
在校生にお声がけいただくとしたら、どのような言葉をかけますか?
無駄だと思う勉強かもしれないけど、やっとけばよかったなって思うんですよね。大きい会社の役員の人なんかと話してると、「あぁ、この人達は学生時代すごく勉強したんだな」とか、「この人はこの仕事に就いて頑張ってやってきた人なんだな」って感じます。だから、今できる勉強は頑張って欲しいですね。
あとは学校の中での人間関係ですかね。高校での出会いって、社会に出てからも続いていくことが多いから、きっと仕事にも繋がっていきます。千曲高校って独特だと思うんですよね。普通の勉強もして、尚且つ社会に出るための勉強もしてるし、似た境遇で育った人が多い。だから社会に出てからも協力し合えるんじゃないかな。
令和2年10月20日公開

株式会社 甲田ケイテイ (上田市本郷)