Interview

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昭和59年
建築科卒業

有限会社 淡水漁鯉西 代表取締役:西沢徳雄

現在のご職業や、お仕事の内容をおしえてください。
私は有限会社 淡水魚鯉西の代表取締役社長です。鯉西は先代が初めてから創業50年、私が2代目になります。漁主でもあり、千曲川をバックグラウンドとしたとした川魚の料理や名産物の販売を行う地域に根づいた企業であり、『味とロマン』をキャッチフレーズにロマン溢れる千曲川をアピールする職業です。
最近は、お中元やお歳暮などのご贈答用にもよくご利用頂いております。
千曲高校・建築科に進学された一番の理由は何でしょうか?
鯉西は妻のお父さんが始めた会社で、私は養子なんです。
私の父と母は早くに亡くなってしまっているんですが、実の父が大工として建設業に携わっていたこともあり、父の後を継いだり同じ職業につければと思い千曲高校建築科に入りました。千曲高校に進学した時にはもう2人とも亡くなっていて、当時は親戚に引き取っていただき、在学中3年間はずっと面倒を見ていただきました。
小さい頃は兄弟と一緒に現場へ連れて行ってもらいました。大工の父はとてもカッコよくて、亡くなった父の木材の匂いはよく覚えていますね。
在学中はどんな班活に在籍されていましたか?
卓球班に在籍してましたね。当時はいわゆる不良もやりつつ、卓球も一生懸命やった記憶があります。ただ不良仲間には卓球をしていることはなかなか言えなくて笑。 今でこそメジャーなスポーツになりましたが、当時は窓際族というか不良には似合わない班活だったので恥ずかしかったですね笑。
放課後に不良仲間とじゃあなって別れてから、不良仲間に見つからないように着替えて班活に行ってました。
卓球班は当時から人気な班活でしたね。この辺りでは千曲高校は強くて上小地区では一番でした。ただ東信大会に行くと強い高校がたくさんいましたね。高校から卓球を始めた私にとっては、そんな強豪校に勝つことを目標に卓球に打ち込んでいました。
在学中の思い出として、忘れられないことはありますか?
一番の思い出は卒業式の日、「卒業生入場してください」って言われる瞬間まで追試をやっていた事です笑。追試の図面を提出しないと卒業させてもらえないという事だったんです。
今だから言っていいと思いますが、卒業式の入場が始まって、先生が「浅川(旧姓)、もういいから。みんな入場してるから行け!」って言ってくれて、あとから「すいません、すいません!」て言いながら入場しました笑。 先生には『後で酒の一升や二升持って来い!』と言われましたが、未だに持っていっていません笑。
当時は卒業生名簿が先にできていて、名簿に自分の名前が載っていたので卒業できるだろうと思っていたんですね。それで追試までさぼってたら追い込みかけられて、最後は監禁状態で追試をしてました。今思えばいい思い出ですけどね笑。
千曲高校で学んだことで、今のご職業で活かされてると思うことはございますか?
建築科を卒業してからは2年ほど建設業に携わっていたのですが、そこでの経験や建築科で勉強したことは今でも役に立ってますね。
例えば、つけば小屋を建てる時や壊す時。漁師仲間や弟子のみんなが集まってくれるのですが、風が強い河川敷なのでより頑丈で快適なつけば小屋を作るのに役に立ってると思います。
ある程度の台風や雨も耐えられますのでかなり強いです。
これからの社会で求められるのはどのような人材ですか?
仕事のオン・オフの切り替えのできる方だと思います。私の場合は、仕事をする時は120%仕事、その代わり遊ぶ時は120%遊ぶようにしてます。私も小さい会社の経営者で、やることも多くてなかなか休めることも少ないんですけどね。でもオン・オフをしっかり切り替えることは重要だと思います。
オフの時は今でも仲間達と卓球をやってますね。仕事のことを考えないようにして、遊ぶことに全力を注いでいます。
又、それは苦しい時を乗り越えられる糧になると思います。ここ一番での根性に繋がる部分もあって踏ん張れる力になるんです。
鯉西もコロナの時はとても大変でした。乗り越えられるかな、と思った時もありましたが、おかげさまでここ一番の根性・踏ん張りで乗り越えることができました。
ご自身が影響を受けた人・尊敬される方はおられますか?
初代鯉西の社長であり義理の親父ですね。
本当に厳しい親父でしたけど実際はとても温かい素晴らしい親父でね。顔が広く、誰からも尊敬されていて、自分をしっかり持った根性ある素晴らしい親父でしたね。だから私は親父に息子にしてもらいたい、親父のような男になりたいと知らず知らずのうちに自分の目標になっていましたね。なので今でも感謝してますし、自分としては親父は神であったぐらいです。親父以上に尊敬できる人はいないですね。
大切にされているポリシー・座右の銘はありますか?
目には目をじゃないですが、ハートを持って接してくれる方にはハートを持って返したいですね。
鯉西や私にハートで応えてくれる人たちには、私もその期待に全力で応えられるようにしたいですね。
今後達成したい目標や夢はございますか?
鯉西や私に関わってくださった皆様のおかげでここまでやって来れたと感謝しております。あとは私の後を継いでくれる後継者ですよね。この千曲川の文化を継承してくれる人やチームに世代を繋げていけたらなというのが今の私の最大の目標です。事業・会社というよりは文化を繋いでいきたい。決して最新の仕事ではありませんが、継承されてきた古き良き文化を掘り起こしてきた職業だと思うんですよね。
上田の観光にもまだ可能性がありますし、千曲川の文化を後世にしっかり継承していきたいですね。
在校生にお声がけいただくとしたら、どのような言葉をかけますか?
中学校卒業して工業高校に入学して、いきなり建築科や電気科といった専門的なことが始まっていきますよね。もしかしたら思ってたのと違うなって思うことがあるかもしれませんが、どんな人生を歩もうとも絶対無駄になることはありません。
建築科に入ったんだからと言って建築に進む必要はないし、いろいろ事にチャレンジしてみたっていいと思います。学校の勉強と実際の仕事では違うこともありますからね。
どんな職業もある程度大変ですし、ここは我慢しないといけないというところは我慢しなければいけないけど、そこで耐えれば一歩成長して一段階上がれます。
それに高校時代の思い出は一生の宝になります。一番大切な時間なので是非大切にしてもらいたいですね。
令和6年8月

有限会社 淡水魚鯉西(上田市天神)

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