小松美羽展に足を運んで
小松美羽の制作画材
2022.11.8
坂田 和夫(電気科昭和47年卒)
去る7月30日に川崎市多摩区生田緑地にある、「川崎市岡本太郎美術館」に足を運び、『小松美羽展』を鑑賞してまいりました。岡本太郎は皆様がご存じの通り、大阪で行われた、「日本万国博覧会」のシンボルゾーンに建設した、《太陽の塔》の制作で有名です。
岡本太郎の父親は、画家・漫画家・文筆家・仏教研究家で有名で、母親も小説家・歌人・仏教研究家でも有名な、岡本かの子です。岡本太郎は、1911年岡本一平、かの子の長男として川崎市に生まれ、1929年東京美術学校洋画科に入学。12月父母に従い渡欧した。その後の岡本太郎の略歴は以下のとおりです。
1932年 ピカソの作品に衝撃を受け、抽象芸術を志した。
1940年 ドイツ軍のフランス侵攻により帰国。
1942年 召集を受け、中国に出征。1946年6月復員。
1947年 東京、上野毛にアトリエを構え、芸術理念「対極主義」を提唱。
1954年 青山にアトリエを移し、「現代芸術研究所」を設立。『今日の芸術』刊行。
1962年 川崎市の多摩川湖畔に岡本かの子文学碑《誇り》制作。
1970年 日本万国博覧会シンボルゾーンに《太陽の塔》完成。
1991年 川崎市市民ミュージアムにて「川崎市が生んだ鬼才-岡本太郎」展開催。
これを機に、川崎市に主要作品約1,800点を寄贈。
1993年 川崎市名誉市民となる。
1996年 1月7日、死去(享年84歳)
岡本太郎が亡くなった後の動きは、
1998年 東京・南青山のアトリエが岡本太郎記念館として開館。
1999年 10月、川崎市岡本太郎美術館開館。
以後、岡本太郎にまつわる企画・展示があり、現在に至っている。
今回、川崎市岡本太郎美術館を訪れた理由は、常設展「太郎の創造展-創らなければ、世界はあまりにも退屈だ」の鑑賞と、企画展の「小松美羽展 岡本太郎に挑む-霊性とマンダラ」を鑑賞するためであった。興味を持ったきっかけは、小松美羽(こまつみわ)が同じ長野県人で、上田市の隣の坂城町出身の現代アーテイストであると知ったからです。また、岡本太郎に挑むとの副題があり一体どんな作品なのかも観ておきたかったからです。
小松美羽は、狛犬をモチーフにした作品で知られ、彼女をプロデュースするプロジェクトチーム「風土」(株式会社 風土)に所属している。 現在、坂城町特命大使。女子美術大学特別招聘教授。東京藝術大学非常勤講師。Maison Christian Diorオフィシャル・アンバッサダーを務めている。
小松美羽の略歴
1984年11月29日 長野県坂城町に生まれる。
高校は、更級農業高校で、卒業後は、女子美術大学短期大学部に進学しています。この短大には、当時通学していた美術予備校の講師に勧められたからと言われています。当初は絵画を学ぼうと入学したが、この短大では入学後に様々なカリキュラムを経験した後に専攻を決めるシステムがあり、小松さんは「銅版画」のカリキュラムを経験した際に、「これだ!」と思って専攻を即決したという事です。
大学入学当時、将来は版画家になるというイメージができていたため、就職活動の時期になっても自分には関係ないことだと思っていたとのことでした。最終的には、「銅版画」に没頭していたこともあり、就職せず、短期大学の研究生として2年間制作活動をし続けます。代表作「四十九日」を制作したのはこのころでした。2年間の研究室を卒業後、アルバイトをしながら家賃5万円のアパートで引き続き作品制作を続ける事になります。
その後百貨店のアート部門でアルバイトとして働くようになりチャンスを見てはお客様やアート関係者に自身の代表作である「四十九日」を売り込んでいたそうです。全くと言っていいほどの評価してもらえないなか、唯一アートプロデューサーの高橋紀成さんが興味を示してくださったとのことで、それがきっかけで「阿久悠さんのトルビュートアルバムのCDジャケットを描いてみないか?」という依頼が舞い込み、「締切は3日後、その作品が採用されるかは分からない」という厳しい条件であった。 それでも、これは大きなチャンスだと感じ、寝る間も惜しんで多くの作品を提出します。その結果、そのうちの1つが選ばれ「版画家」としての初めての仕事となったとの事です。それ以降は順調にキャリアを重ねて、世界的な版画家としていきます。
それらに加え「美しすぎる銅版画家」としてバラエティ番組にも出演されているとのことです。
小松美羽は、日本の風土が生み出すものにこだわり、信州を拠点に世界にメッセージを発信する新進気鋭のアーチスト、造形作家として、今後の益々の活躍を期待したい。
今回の「小松美羽展 岡本太郎に挑む-霊性とマンダラ」は、写真撮影OKとの事でしたので、何枚か写真をアップします。
小松美羽展 写真(1) こちらを参照願います。
小松美羽展 写真(2) こちらを参照願います。
詳しくは、インターネットで「小松美羽」を検索して見てください。
また、作品も、「小松美羽展」もみられますので興味のある方は是非検索して見てください。彼女の力強いメッセージが伝わってきます。また、是非とも一度、川崎市立岡本太郎美術館にも足をお運びください。岡本太郎美術館は、生田緑地の一角にあり、隣の敷地には広大な、川崎市立日本民家園もあり、一日楽しめます。足を運べば、きっと心に残る一日になることでしょう! 以上